『のだめカンタービレ』を全25巻読了した。
もう何回も読んでいるのだけど、何回読んでもおもしろい。
名作漫画の一つだ。
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『のだめカンタービレ』
二ノ宮知子先生によるクラシック音楽をテーマにした漫画作品。
女性漫画誌『Kiss』(講談社)にて2001年から2010年まで連載された。
アニメだけでなく、実写ドラマや実写映画にもなっている。
指揮者を目指すエリート音大生の千秋真一と、天才的なピアノの才能をもつ野田恵(通称のだめ)の、音楽を通して成長していく物語。
ちなみに、本編は23巻まで、番外編が24,25巻となっている。
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※メインキャラは皆さん知ってる前提で話していきます。
私がこの漫画を読み出すとき、たいてい千秋先輩から勇気をもらいたいときだ。
あんなに実力と才能もあるオレ様な千秋様なのに、立ちはだかる壁に向き合って、いつもコツコツと立ち向かっていく姿がかっこいい。
そして常に慢心することなく勉強している姿に感心してしまう。
彼が突然のチャンスをものにできたのも、コツコツと自主的に勉強していたからだ。
あんなにできる千秋様でも頑張ってるんだから、自分も頑張らなきゃ、という気になってくる。
作品中たまにあるシーンとして、何か一段落して休もうとか飲みに行こうみたいなときに、千秋やのだめが、「これから勉強する」とか「ピアノ弾きたい」とか言って先に去ってしまって、周りの人がえっ今からやるの?みたいな反応示しつつ、やっぱ違うなぁと感心して、私も頑張ろうと言って練習しようとする。
みたいな刺激を、漫画を読んでもらっていた。
♪♪♪
でも思った。
誰かに感化されて始めた勉強は、長続きしないんじゃないか、と。
正直自分は長続きしていない・・・・・・
なんのために、あえて、頑張って、勉強しなきゃいけないのか。
なんで向き合わなきゃいけないのか。
のだめも最後まで似たような思いを抱いていた。
♪♪♪
【ネタバレ注意】
※本編最後のほうに描かれていることを引用しています。
読みたくない人は次の♪区切りまでスクロールしてください。
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フランスの音楽学校の教師で、のだめの師であるシャルル・オクレール先生は、のだめにたくさんの課題を与え、コンテストに出ることを禁止していた。
その真意をのだめ本人には伝えていないが、彼はのだめを”本当のピアニスト”に育てようとしていたことを明かす。
彼が言う”本当のピアニスト”とは。
音楽と共に生きる覚悟を決めることです
なにがあっても
本当の喜びや楽しさを
多くの作曲家や曲の中から見出すことが
できるようになっていたのに・・・・・・
――22巻P168,169より
物語の最後、のだめは失意の中失踪する。
(詳細はぜひコミックスを読んで)
周囲の心配を余所に、しれっと自分のアパートに戻ってきたのだめ。
たまたまのだめが弾いたピアノを、千秋は耳にする。
それを聞いた千秋は思い切って、協奏曲(コンチェルト)をやろう!とのだめを誘うが、断られる。
それならばと、かつて(※)2人でやったように、また連弾をしようと持ちかける。(※第1巻のエピソード)
最終話の2人の演奏シーンに、千秋のモノローグが重なる。
いくら苦しくても
気が遠くなるほどの
孤独な戦いが
待っていようともこんな喜びがあるから
何度でも立ち向かおうと思えるんだ
この連弾をきっかけに、再び千秋フォーリンラブののだめは、ピアニストの道を歩む決意をするのだった。
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これら登場人物の台詞から、真に学ぶことの意義を読み取ることができる。
すなわち、
本当の喜びや楽しみがそこにはあって、
学ぶことでそれを見出せるようになる。
そして、この道で生きていくのだと覚悟を決めることで初めて、
人から強いられる「勉強」ではなくて、自ら「学ぶ」ことができる。
外的動機のみで学び続けるのは難しい。
そのためにも、内的な喜びを見出し、内的な動機を持つことができるかどうかが大事なのだ。
そこに喜びがあったとしても、その道を進むこと、学び続けることは、孤独な戦いである。
でも、それはきっと一人ではない。
同じ道を進む者はみな、同じ志を共有した仲間だ。
それは旅にも似ていて、同じ道を進んでいるからこそ、出会えたり、わかり合えたり、惹かれ合ったりすることができる。
しかしながら、同じ道を進むことは強制できるものではない。
作中でも、のだめたちと同じような音楽の道に向き合うことができずに去っていったキャラもいた。
なにより、のだめは最後の最後までいかに進むか悩んでいた。
どの道を選ぶか決めるのは、最終的には自分自身だ。
それにはきっと間違いも正解もない。
生きている限り、道はいくつもあって、道はずっと続いている。
そして、その道はどこかで誰かと、きっとつながってるのだ。
(2019/7/15 note「『のだめカンタービレ』を読んで学んだ「学ぶこと」の本質」より)