お茶の広告の人になった話~荒畑園と地味ハロウィン2022

お茶の広告の人になった話~荒畑園と地味ハロウィン2022
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今回の地味ハロウィンは、「お茶の広告の人」の仮装をした。

こちら、お茶の広告の概念を集合・再構築してみたものだが、これにはモデルがおりまして。


出典:https://www.rakuten.ne.jp/gold/arahata/ ※トップバナーの画像の一つにあります

静岡のお茶屋さんである、荒畑園の社長・荒畑氏である。

実は前からこの人のコスプレをしたいなと思っていたのだけれど、そのあたりの動機をふくめた、今回の仮装にまつわる顛末についてお伝えしたい。

■趣味の新聞広告収集がきっかけ

以前、山形田という銀座のそば屋さんの新聞広告を追いかけた記事を書いたのだが、このときから新聞広告を観察・収集するという趣味ができてしまった。

収集例)

●精力剤

●船越英一郎

●月桂樹(月桂冠)

※これらはいつか記事にまとめたい・・・

で、気になってる広告の一つに、「荒畑園」があったのだった。

荒畑園(広告)との出会い

最初に気になって集め出したのが2021年の1月頃。


△写っている人物にご注目

このときの広告に出ていたのは、「茶師・山田」さんだった。


△茶師・山田

人柄の良さそうなおじさん。
なんか、私が丁寧にこのお茶を仕上げましたよ感が伝わってくる。
良い広告だ。

で、荒畑園の広告頻度は割と高く、毎日ではないにしろ、数日に1度は必ず見かけるので、なんとはなしに気にしていた。

そこに変化が訪れたのが、2021年7月頃。


△山田さんではなくなった


△社長・荒畑

「茶師・山田」さんから、「社長・荒畑」さんに変わったのだ!

これがパラダイムシフトというやつか・・・(知らんけど)

△動揺のツイート

よく見ると、変わったのは人物だけではない。


△お茶が異様に大きくなっている

山田さんは自分でお盆を持ってそうだったが、荒畑さんのこれはお茶がコラージュされてると思われる。
でもまぁ、広告ってそういうものだよね。
とりあえず、山田さんどうなったのかなと心の片隅で思いつつ、荒畑園をきちんと定点観測することにしたのだった。

で、それから3か月ほど経って、また変化が現われた。



△荒畑さんが普通の作業着から茶師の作業着(?)に変わったのだ!

かつての山田さんのイメージに回帰しようとしたのだろうか。
なんか社長業だけじゃなくて現場にも入らなきゃいけなくなったのだろうか。
荒畑園もいろいろ大変なのかな……と勝手な想像を働かせてしまった。

現在のところ、このスタイルの広告が続いている。
今後も、荒畑園の広告の進化を期待したい。

(参考)お茶の広告収集ログ


△約1年半分

■で、今年の地味ハロはというと

今回奥さんは参加できないので、一人で参加することは決まっていた。

ネタはなんとなく広告系でいこうかなと思っていたのだけど、正直、荒畑園の荒畑さんのコスプレしたいっていう思いが強くて、結局他のネタが思いつかなかった。
悩んだ結果、やっぱりやりたい仮装やるのが一番だよねってことで、この路線でいくことにした。

ただ、さすがに「荒畑園の社長の荒畑さんです」って言っても全然伝わらないのは目に見えていたので、ネタとしてはもう少し一般性を持たせる必要があった。

ここでTIPS。
荒畑園の広告を収集しだして、どうもお茶の広告というのは概念化されてるなということに気がついていた。

TIPS:お茶の広告の概念
・だいたいお茶は静岡
・富士山と茶畑
・注がれるお茶と湯飲みのコラージュ
・大量のお茶の葉もコラージュ
・お茶の生産者(作業着)


△お茶の広告の概念集

ということを踏まえて、今回は仮装ネタを「お茶の広告の人」と設定しつつも、その実「荒畑園の社長・荒畑さん」のコスプレをする、ということにしたのだった!

■さあ楽しい工作の時間だ

まずはお茶の広告の人になるべく、イメージを高めるところから始めた。

イメージを整理した結果、以下を準備することにした。
・お茶っ葉が載った大きなお盆
・衣装
・背景

◇まずはお茶っ葉から

まずはお茶っ葉を生成するところから始めた。

身の回りでお茶になりそうなものを探して目を付けたのが、シュレッダーの紙くずだ。

とりあえずそれを段ボールに貼付けて、スプレーで色を塗ってみた。


△悪くはないが、ちょい微妙かも……

逆に、緑に塗った紙をシュレッダーにかけてみた。


△正解!これだ!


△そうと決まれば、お茶の量産に入る


△スプレー2色と紙の違いで数種類のシュレッダー紙を用意してブレンドした


△それを段ボールに貼付ける

スプレーのり1回ではうまくいかないので、複数回、貼付け作業を重ねて、最終的にいい感じにこんもりしたお茶ができた。
それを今度は、近所の古道具屋から500円で買ってきたお盆に貼付ける。


△ただ貼っただけだと、お好み焼きっぽくなってしまう

この違和感はフチがはっきりしてしまっているからなので、ちまちま紙を貼り付けてフチをぼかしてく。


△アンチエイリアスってやつね

てな具合で、「大きなお茶(概念)」の完成!


△いい感じじゃん?

◇衣装の用意

お茶の生成と並行して、衣装を検討した。

きっかけとなった新聞広告では、荒畑さんは白い割烹着的な作業着姿だったけれど、WEB上の広告画像では紺色作業着姿となっていた。


△衣装比較

どちらにすべきか迷ったけれど、他のお茶の広告も、白い割烹着系の作業着はあまり見かけず、どちらかといえば紺色っぽい作業着が多そうだったのでそっちにすることにした。
というわけで、それっぽい作業着を、作業着屋さんに行って調達してきた。


△わざわざ買ったおニューの作業着

◇背景を作ろう

お茶の広告になるべく背負う背景を作る。

この「背景を背負う」というアイデアは、デイリーの林さんが書いたこの記事を参考にしている。

実写版Zoom

この中で、背景はA1サイズがよいというTIPSが示されていたので、それに習うこととした。

(A3)
(A2)
(A1)
△一応確認したが、確かにA3、A2だと物足りない

背景とする画像は、フリー写真素材を組み合わせて作成した。


△解像度めっちゃでかくしたので、よくソフトが固まってしまった(474MBあった)

「静岡茶」という文字フォントが入ることで、よりぽくなった気がする。

セブンイレブンのネットプリントで、4分割で印刷したものを、ホームセンターで調達したプラスチック段ボールに貼付ける。

背景ができた。いいぞいいぞ。

◇いかに背負うか

背景は作って完成ではなく、背負えるようにしなければならない。

参考にした記事では、シンプルに穴を開けてひもを通しただけだった。


出典:DPZ-実写版Zoom(https://dailyportalz.jp/kiji/live-action-zoom)より

ただ、実際にやってみると、
・一人で背負うのが大変
・思いの外、背景がだいぶ下がってしまう
・強度が心配

という課題があることがわかった。

あと、背景は移動を考慮して半分に折るつもりなので、
現地でパリッと平面を維持できるようにしないといけない、という課題もあった。

で、それらを解消するため、たまたまうちにあった程よいサイズの筒を活用してみた。

筒に背景をセットし、その筒を背負うこととしてみた。


△これはいける

こうすると背負ってから長さも調整できる仕様になったので、もろもろ課題解決できたぽい!

やったぜ。

てな具合で、準備を行ったのだった。

■当日朝のトラブル

地味ハロ当日の午前中に、最後の確認であらためて背景を背負ってみた。
鏡を見ながら、なんか傾いちゃうなと思って調整紐をぐいぐいやってたら、なんと筒を破損してしまった!


△やばい

早急に問題解決すべく、あらたな固定方法を考えねば。
で、いろいろ検討した結果、筒に網を組み合わせる方法を編み出した!


△こんなん

こうすることによって、背景が後ろに倒れないよう支えることもできるし、網の下端は腰で支えられるので、背景の安定度がぐっと向上させることができた。

怪我の功名とはまさにこのこと。

◇プレゼン用意

一応言及しておきたいのが、こちら。
背景の他に当日ギリギリまで用意してたのが、プレゼン素材だった。
今回の仮装は、元ネタもあったりするネタだったので、見てもらった人にいかに端的にプレゼンするかも求められると考えた。

というわけで、スライドを用意して、それをお盆の裏にセットしてみた。
そうすることで、普通に仮装を見せつつ、一瞬で元ネタ説明もできるようになるという寸法だ。


(ほんとは説明しなくても伝わる仮装なのがベストだけどね)

■地味ハロイベントにて

普通にワイシャツネクタイの上に作業着を羽織り、下はスラックスと革靴という出で立ちで、渋谷へむかった。

渋谷のハロウィンは警戒態勢であり、コスプレして電車乗らないでという注意も出されていたようだったが、さすがに私の格好がコスプレだとは誰も思うまい。

---

会場では、1年ぶりに見かける顔ぶれもちらほらあり、久闊を除しつつ、互いの仮装に思いをはせた。
(見てわかる人もいれば、まだわからない人もいる)


△参加記念品の地味タオル


△林さんの実写版Zoomのリアル背景を見ることができてうれしかった(実写版のリアルってなんぞや)

今年もおもしろい仮装がいっぱいあった。
詳しくは本家サイトの記事を見てもらうとして――

地味ハロウィン2022 開催レポート

その中でも、私含めて背景込みの仮装の人がいつもより多かった気がした。
(みんなも林さんの記事見たのかな)


△1部に集いし看板の民

背景を手持ちしている人がほとんどだが、中には自分とは別の方法で背景を背負っている人もいて、そういう裏側やどう工夫したのか、というのがとても興味深かった。


△宝塚音楽学校の合格掲示にきた上級生


△背中は筒をテープとクリップで留めているワイルドさよ

肝心の私の仮装はというと。
現地で鏡を見ないで装備すると、背景が傾いていることがわからない・調整できない、という課題があったことに後から気づいた。

結局、家で撮った写真が一番よかった気がする……

ただ、仮装自体は皆さんから好反応をいただけたのでうれしかった。
あと、自分的に作って満足してたけど、お茶がすごいって言ってもらえたのもうれしかった。
(もっとアピールしてもよかったのか、とこれも後から思った)

当日のイベントはyoutubeでも配信されているので、興味ある方はぜひ。
(私のは20:10あたりから)

司会の住さんから「完コピですね!」と言ってもらえた。

■所感

今回は、まず見た目で反応がもらえたので、お茶の広告の人という概念はそれなりに表現できたのではないだろうか。
そのうえで、そこから元ネタプレゼンをすることで、さらに反応がもらえるという、2回攻撃ができるネタとして成立させられたのかなと思っている。

なにはともあれ、今年もやりたい仮装やり切ることができて楽しかった!

さてさて、来年はどうしようかな~。

■勝手に広告しちゃいます

お茶の荒畑園・公式通販サイトはこちら。
https://www.arahataen.com/

実は事前にちゃんと買っていたのですよ。


△パッケージ(裏)


△特選荒茶 旬 深むし茶


△パンフレット

味わい深くてとてもおいしい緑茶です!

 

■後日談(2022.11.15追記)

11/14日放送の月曜から夜ふかしという番組に、お茶の広告の人が映りました!

■後日談その2(2022.12.11追記)

デイリーポータルZの投稿記事を紹介するコーナー、自由ポータルZにて、本記事が入選に選ばれました!

お茶の広告の人になった話~自由ポータルZ

ちなみに、デイリーの自由ポータルZはたまに投稿しているのですが、今回で3回目の入選でした!

過去2回はこちら
前回:「銀座そばきりや 山形田」の新聞広告を追い求めて
前々回:水道工事マグネット(冷マ)の観察

 

※更新履歴
2022/11/19 一部追記修正:工作前のイメージ図追加

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