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いつもお世話になっているお話づくり講座のイベントがあって、昨日行ってきました。
メインの講座と作品講評会は大変勉強になったのですが、その後の飲み会も大変盛り上がりまして。
その席で珍しくいろいろ語ってしまったのですが、一晩たって話したこと思い返すと、人に言ってたつもりが結構自分に当てはまるなぁと思ったので、備忘録としてまとめておきます。
勢いで語りはしたけど、ここ数年ずっと考えていたことだから、うまい具合に言葉としてまとめられたのだろうと思います。

「売れるためにはエロを書けなければいけないけど、書けなくて困っている」
というような話題を振った方がいて、なんかそれって違うんじゃない?という話になりました。

他の人がどう話してたかっていうのは正直あまり覚えてないので割愛するとして(サーセン)、僕は次のように話したのでした。

・そのエロ(シーン)は、あなたが書く作品において、本当に必要なシーンなのか。そうであれば書くべきだけど、ただあったらいいな程度であれば、それはデブリである。

・エロは誰もが持つ本質であるが、そのエロさの表出の仕方は、人それぞれである。おっぱいだけがエロではない。もしおっぱいしかエロが思いつかないのであれば、あなたにとってエロとは何かを一度考えてみたほうがいい。(※その上でおっぱいを選択するならばそれはそれでよいかと)

・僕は工場とか配管とか廃墟とか萌えるんだけど、いいなって思う絵とか写真は、「エロい」んですよ!

そんで一夜明けて今日、昨日の会に、成人男性向けの同人誌を描かれている女性作家さんも参加されていたということを聞いて、その方のサイトなぞをのぞいてみました。
あまり詳しく書くのはちょっとアレなので割愛しますけど、とてもエロくて絵もかわいくて、素晴らしいと思いました。そんで、いいなぁと思いました。

実はずっと前から、自分もエロい漫画を描いてみたいなと思っていたのです。
実際には描こうとしてないから何言ってんだって感じですけど、なんでおいそれと描こうとすることができないかというと、エロい漫画っていうのは、相当に技術がいることなのです(と思っている)。
そもそも前提として、女体をエロくかわいく美しく描くのだけで、相当な技術を要するわけで、その上で絵として作品としてよりエロく見せる必要があるわけです。これはなかなかに大変なことだと思います。

で、ふと昨日の話を思い出したわけです。

ああ、無理しておっぱい的エロを描く必要はないのだ、と。
僕がエロいと思う配管を描けばいいのだ、と。

エロの話ともかぶるのですが、「恥ずかしくてセックスシーンがうまく書けない」という話題もありまして。書くべきかどうか云々は上述の通りとして、「恥ずかしい」というブレーキがかかる現象についても語りました。

それは、自分と作品の距離感の問題である、と。

作品(のキャラクター)≒自分であると、作品がどう見られるか≒自分がどう見られるか、という図式が成り立つので、ブレーキがかかりやすい。つまり、作品と自分の距離が近い。
対して、作品の中でなんでもできちゃう人もいる。すごく残虐シーンかけたり、ものすごくエロいシーンかけたりとか。そういう人は、作品に対して距離がとれているのではないか、と。

飲みの席ではそれ以上突っ込んだ話はしなかったのですが、改めて考えをまとめると、以下のようになります。

・職人タイプ:器用な人
作品と距離感が遠い
(割と)なんでも描ける
すなわちエンターテインメント
→技術やテクニックが重要、自分をなるべく出さないようにする

・芸術家タイプ:不器用な人
作品と距離感が近い
あまり描けない
すなわちアート
→技術やテクニックは必要だが、それよりもいかに自分(の内なるエネルギー)を出せるか

という分類になる、というのが僕の考えです。

大事なのは、自分はどっちのタイプなのかという見極めです。
僕は、自分はアートよりだと思っているから、サラリーマンしながら趣味でかくというスタイルは正解だと思っていて、(今のところ)絵で仕事したいと思っていません。だからこそ、自分が感じる価値(≒エネルギー)を高効率で出力することに主眼を置いています。

僕がよく使っている、「いかに自分の気持ちが表現できているかを確認する方法」というものがあります。

読み返した時に恥ずかしいと思えるかどうか。

ただこれだけです。
誰に読まれても恥ずかしくないぜ、ほらどうぞ!っていうものは、だいたいおもしろくないと思っていて、他人のそういう作品も、読んでてあまりおもしろいと思えません。
逆に、読み返して恥ずかしいって思えるものは、自分の中の感情とかナニカ(≒エネルギー)がきちんと表現されているものなので、そういう作品は出すべきだと考えています。

まとめると、僕が表現したいエネルギーの本質って、エロだったのかということに気付いた次第。

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