地味ハロウィン2020の準備~1kgの脂肪を作る~

地味ハロウィン2020の準備~1kgの脂肪を作る~
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今年の地味ハロは「1kgの脂肪を持つ人」の仮装をした。

おかげさまで結構ウケた感触があったので、とてもうれしかった。

地味ハロは本番も楽しいけど、準備も楽しいぜ!てことで、今年も楽しんで作った、仮装小道具の製作の様子をお伝えしたい。

■今回の仮装の経緯

10月になってから、今年の仮装はどうしようかと奥さんとネタ出しした。
最初は二人でできるやつを探していたものの、なかなかこれというものが浮かばず。
そのうち奥さんが一人ネタを思いついたので、無理に二人でやるより別々のネタでいこう、ということにした。

さて自分はどうしたものかと悩んでいたら、
「次元をこえたらおもしろいんじゃない?マグネットも2次元を3次元に再現したんだし」
というアドバイスをいただいた。

次元……2次元……広告……そうだ!

広告といえば、“あれ”がおもしろいんじゃないかと思いついた。


▲あれ

Togetter 1kgの脂肪が「落ちる」とか具体的なことは一切書いておらず、ただ1kgの脂肪を持って指差してるだけの意味不明な状態になってしまった広告

これなら白衣着て脂肪的なやつを持ったらいけそうだ!

というわけで、本番1週間前の週末に、脂肪作りに取りかかった。

■製作の様子

まずは観察から

まず、持たれている脂肪とはどんなものか。
いろいろサンプルを見ようと、「1kgの脂肪」「広告」で画像検索してみたのだが、いやー出るわ出るわ。


▲画像検索結果一例(google画像検索より)

漢方薬局の界隈、脂肪持ちがちな件について。
めちゃめちゃ興味深いので今度調べてみようと思う。

なんかつるんとした形状や、3kgとかでかいやつもあったけれど、きっかけの広告に寄せたほうがベターだなと思い、基本形状としてこんなものをイメージして進めることにした。


▲拡大

素材の調達

なんかこう、でこぼこしたカタマリを作ればいいんだなってことで、適当な材料を探しに近所のホームセンターへ行った。

なんとなくこれを再現するならこれだなっていうあたりはつけていたので、それがありそうな売り場へ。


▲これ

洗車用スポンジである。
一応ほかにも物色してみる。


▲これもぽいけど、洗剤はいらないな。(包装破れてるし)


▲キッチン系はちょっと違うかな。


▲一瞬おって思ったけど、モップは違うな。


▲もっと違うな。。。

代わりになるものあるかなと思ったけど、いくら似ているからといって、モップを持ったらそれは「モップを持った人」になってしまうのだ。
やはり私が持つべきものは「脂肪」なのだ。

というわけで、モチベーションが高まったところで、脂肪を作る素材として買ったのがこちら。


▲このあと追加で3個目も買った。(ちなみに、ついでに買ってみた接着剤はこれには全然くっつかなかった)

脂肪作り

とりあえず、このスポンジをちぎったらそれっぽくなるかなと思い、ぶちぶちちぎってみた。


▲これを・・・


▲ちぎる!


▲ぐるりとちぎってみた、が・・・

いちおう、ちぎったところはなんかそれっぽく見えそうなのだが、なんだろう、全体的に“ぽく”ないぞ。

ここからいろいろ試行錯誤してちぎってみたところ、こんな感じになった。


▲さっきより“ぽさ”が増したかな。

ここで、なんとなくそれっぽくなるポイントは、「シルエット」にあるのだとわかった。

引きで見たときのシルエットに、元のスポンジの形、つまりきれいな曲線が残っていると、どうしても“ぽさ”が出ない。
なので、特に外周のシルエットを崩すつもりでぶちぶちちぎっていくと、徐々に“ぽさ”が表れてくるのだ。


▲シルエットをでこぼこさせるとよい。

今後脂肪を作る人は、人工的な形を崩す!というポイントを意識して作ってみて欲しい。


▲これが・・・


▲こうなります。

ふむ。ひとまず、なんとなく雰囲気はつかめた。

いったんこれは試作品ってことで、この経験をふまえて本作品に取りかかる。

まずベースの形状として、両サイドがへこんでいるのが気に入らなかったので、幅を広げることにした。
追加で素材をくっつけてみようかと思ったものの、いまいちぴったりこなかったので、逆に考えて、スポンジである特性を活かしてこんなふうにしてみた。


▲内側をくりぬいて、中から広げる作戦。

ちぎった破片が大量にあるのでそれを利用しつつ、新聞紙をまるめてつめて芯にしてみた。
(脂肪の芯とは。。。)

よし、幅感はこれでよくなった。
次に、もうすこし上下に長くしたい。


▲これくらいかな~。


▲切り取り線を描いて・・・


▲カット!


▲グルーガンでくっつける。


▲最初にちぎったやつとの比較。

サイズ感いいんじゃないかな。


▲詰め物が落ちないよう、裏側はダンボールでフタをする。補強も兼ねてる。

さて、改めてちぎって成形してみよう。


▲中央を残して周辺を一通りちぎったところ。


▲横から見るとこんな。

ちりぎまくってて、すでに右手の指が痛いのだが、まだ終わらない。

今度は、中央をいい感じに埋めて盛り上げたい。


▲グルーガンを使えばちぎった破片をくっつけることはできた。


▲ちまちまくっつけてみる。が、ちょっともろいかも・・・

破片を寄せ集めて中央部にくっつけようかと思っていたのだけれど、強度的に不安があったので、この手法はボツにした。
替わりに、さっき切り出した残りのスポンジをくっつけて成形することにした。


▲グルーガンでくっつける。

ほどよく固定されたところで、再びこいつをちぎっていく。


▲一通りちぎった!

結構いい感じになってきた。

ここからさらに“ぽさ”を上げていく。
前述の通り、継ぎ目の形状に人工的なラインが残っていたり、シルエットとして不自然な段がついているので、まだまだ調整の余地がある。

というわけで、さらにぷちぷちちぎりつつ、逆にちぎった破片をくっつけたりして、調整していく。


▲あちあち言いながらグルーガンでくっつけたり。


▲製作中の筆者


▲「う~む・・・」脂肪職人のまなざし


▲真横から見るとまだちょっとアレだけど・・・


▲正面から見るとだいぶ“ぽく”なったんじゃないだろうか。(なんかメロンパンぽさも出てきたが)

もうちょっと手を加えられなくはないけれど、ひとまず脂肪の完成である。

白衣が届いた

脂肪を作っている間に、事前に注文していた白衣がAmazonから届いた。


▲(実はずっと白衣が欲しかった・・・)


▲購入したのはこちら。


▲着てみた。


▲できたての脂肪を持ってみた。

自分でやってていよいよおもしろくなってきた。

フキダシ作り

脂肪と一緒に、「1kgの脂肪」と言っているフキダシも作る。

ところで、最初に参考にしようとした広告では
「1kgの脂肪」
と言っているのだが、界隈を見渡すと
「これは1kgの脂肪です!」
と言っているパターンが多いようだ。


▲「これは~です!」例(google画像検索より)


 ▲なんならきっかけの広告もセリフ差分があった。(駆逐しないで~)

個人的には「1kgの脂肪」と言っているのが超絶シュールなのでおもしろいと思うのだが、ある程度のわかりやすさも考慮して、「これは1kgの脂肪です!」パターンを採用することとした。


▲クリップスタジオでフキダシを作成。画像はアタリとして。


▲印刷して切り出して、ダンボールに貼ってみる。


▲どうだろう。サイズ感とか形状とかもろもろ確認。


▲黒フキダシに白文字の差分も作ってみたが、遠目での見やすさを考慮して、白フキダシのほうを採用した。


▲持ったときに向きが自分の口元に向くよう、フキダシのしっぽを調整。


▲さらに、視認性を高めるために、フキダシ内のフォントサイズや字間を調整。


▲印刷して切り取って・・・


▲ダンボールに貼って・・・


▲切り抜いた!


▲アクリル棒にくっつけて、フキダシの完成。

さらにこだわってみた。

脂肪とフキダシを片手で両方持つのはきついので、脂肪の背面にフキダシをくっつけたほうがいいなと思った。
ただ、完全に固定してしまうと持ち運びが不便だなと思ったので、フキダシを着脱可能にすることにした。


▲こんな支えパーツを・・・


▲脂肪の裏にくっつける。底はグルーガンで埋めておく。


▲しゃきーん

「“セリフ棒”着脱可能な脂肪」の完成である。
脂肪の裏にダンボールでフタしたときは、ここまで想定していなかったけれど、うまい具合に活用できてナイスだった。

さあ練習だ!

モノはすべて用意できたので、きちんと着替えて写りを確認してみる。


▲写りのコツとして、フキダシはちゃんと正面を向くようにしたほうがいいとわかった。


▲表情を間違えるとマッドサイエンティストぽくなる・・・


▲こんなもんかしら。

■本番の様子

大変ありがたいことに、本家デイリーポータルZの地味ハロ記事で取り上げていただいた!!


デイリーポータルZ 地味ハロウィン2020開催されました! より)

僥倖の極みである。
こだわって作った甲斐があった。

■感想

企画、検討から製作してからの本番参加まで含めて、みんな楽しかった!
やはり何かこだわって作るのが好きなんだなと、改めて実感した。
ただ、作るのはいいとして、目のつけどころがやはり一番大事で、そればかりは日ごろの観察が必要だなと思った。

来年の地味ハロウィンに向けて、世の中をよく観察していきましょう!
デイリーポータルZ 地味ハロウィン2020開催されました! より)

はい!
みなさまも、また来年、楽しいものを作って参加しよう!

■過去の地味ハロ工作記事はこちら

地味ハロウィン2019の準備 ~人形劇の人形と衣装作り~

地味ハロウィンの準備 ~水道工事マグネットの観察と小道具の工作~

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