今年の地味ハロは「1kgの脂肪を持つ人」の仮装をした。
おかげさまで結構ウケた感触があったので、とてもうれしかった。
地味ハロは本番も楽しいけど、準備も楽しいぜ!てことで、今年も楽しんで作った、仮装小道具の製作の様子をお伝えしたい。
■今回の仮装の経緯
10月になってから、今年の仮装はどうしようかと奥さんとネタ出しした。
最初は二人でできるやつを探していたものの、なかなかこれというものが浮かばず。
そのうち奥さんが一人ネタを思いついたので、無理に二人でやるより別々のネタでいこう、ということにした。
さて自分はどうしたものかと悩んでいたら、
「次元をこえたらおもしろいんじゃない?マグネットも2次元を3次元に再現したんだし」
というアドバイスをいただいた。
次元……2次元……広告……そうだ!
広告といえば、“あれ”がおもしろいんじゃないかと思いついた。
Togetter 1kgの脂肪が「落ちる」とか具体的なことは一切書いておらず、ただ1kgの脂肪を持って指差してるだけの意味不明な状態になってしまった広告
これなら白衣着て脂肪的なやつを持ったらいけそうだ!
というわけで、本番1週間前の週末に、脂肪作りに取りかかった。
■製作の様子
まずは観察から
まず、持たれている脂肪とはどんなものか。
いろいろサンプルを見ようと、「1kgの脂肪」「広告」で画像検索してみたのだが、いやー出るわ出るわ。
漢方薬局の界隈、脂肪持ちがちな件について。
めちゃめちゃ興味深いので今度調べてみようと思う。
なんかつるんとした形状や、3kgとかでかいやつもあったけれど、きっかけの広告に寄せたほうがベターだなと思い、基本形状としてこんなものをイメージして進めることにした。
素材の調達
なんかこう、でこぼこしたカタマリを作ればいいんだなってことで、適当な材料を探しに近所のホームセンターへ行った。
なんとなくこれを再現するならこれだなっていうあたりはつけていたので、それがありそうな売り場へ。
洗車用スポンジである。
一応ほかにも物色してみる。
代わりになるものあるかなと思ったけど、いくら似ているからといって、モップを持ったらそれは「モップを持った人」になってしまうのだ。
やはり私が持つべきものは「脂肪」なのだ。
というわけで、モチベーションが高まったところで、脂肪を作る素材として買ったのがこちら。
▲このあと追加で3個目も買った。(ちなみに、ついでに買ってみた接着剤はこれには全然くっつかなかった)
脂肪作り
とりあえず、このスポンジをちぎったらそれっぽくなるかなと思い、ぶちぶちちぎってみた。
いちおう、ちぎったところはなんかそれっぽく見えそうなのだが、なんだろう、全体的に“ぽく”ないぞ。
ここからいろいろ試行錯誤してちぎってみたところ、こんな感じになった。
ここで、なんとなくそれっぽくなるポイントは、「シルエット」にあるのだとわかった。
引きで見たときのシルエットに、元のスポンジの形、つまりきれいな曲線が残っていると、どうしても“ぽさ”が出ない。
なので、特に外周のシルエットを崩すつもりでぶちぶちちぎっていくと、徐々に“ぽさ”が表れてくるのだ。
今後脂肪を作る人は、人工的な形を崩す!というポイントを意識して作ってみて欲しい。
ふむ。ひとまず、なんとなく雰囲気はつかめた。
いったんこれは試作品ってことで、この経験をふまえて本作品に取りかかる。
まずベースの形状として、両サイドがへこんでいるのが気に入らなかったので、幅を広げることにした。
追加で素材をくっつけてみようかと思ったものの、いまいちぴったりこなかったので、逆に考えて、スポンジである特性を活かしてこんなふうにしてみた。
ちぎった破片が大量にあるのでそれを利用しつつ、新聞紙をまるめてつめて芯にしてみた。
(脂肪の芯とは。。。)
よし、幅感はこれでよくなった。
次に、もうすこし上下に長くしたい。
サイズ感いいんじゃないかな。
▲詰め物が落ちないよう、裏側はダンボールでフタをする。補強も兼ねてる。
さて、改めてちぎって成形してみよう。
ちりぎまくってて、すでに右手の指が痛いのだが、まだ終わらない。
今度は、中央をいい感じに埋めて盛り上げたい。
破片を寄せ集めて中央部にくっつけようかと思っていたのだけれど、強度的に不安があったので、この手法はボツにした。
替わりに、さっき切り出した残りのスポンジをくっつけて成形することにした。
ほどよく固定されたところで、再びこいつをちぎっていく。
結構いい感じになってきた。
ここからさらに“ぽさ”を上げていく。
前述の通り、継ぎ目の形状に人工的なラインが残っていたり、シルエットとして不自然な段がついているので、まだまだ調整の余地がある。
というわけで、さらにぷちぷちちぎりつつ、逆にちぎった破片をくっつけたりして、調整していく。
▲正面から見るとだいぶ“ぽく”なったんじゃないだろうか。(なんかメロンパンぽさも出てきたが)
もうちょっと手を加えられなくはないけれど、ひとまず脂肪の完成である。
白衣が届いた
脂肪を作っている間に、事前に注文していた白衣がAmazonから届いた。
▲購入したのはこちら。
自分でやってていよいよおもしろくなってきた。
フキダシ作り
脂肪と一緒に、「1kgの脂肪」と言っているフキダシも作る。
ところで、最初に参考にしようとした広告では
「1kgの脂肪」
と言っているのだが、界隈を見渡すと
「これは1kgの脂肪です!」
と言っているパターンが多いようだ。
これがTwitterで噂になってる四谷漢方堂の広告かー。こういう薬事法にぎりぎり引っかからないような表現を見つけたら片っ端から「これってどうなんですかねえ?」と厚生省に問い合わせていけばこういう広告も駆逐できるかな? pic.twitter.com/sxknIikKLF
— 金魚草@最近石沼に漬かり中 (@kingyo_sou) December 21, 2019
▲なんならきっかけの広告もセリフ差分があった。(駆逐しないで~)
個人的には「1kgの脂肪」と言っているのが超絶シュールなのでおもしろいと思うのだが、ある程度のわかりやすさも考慮して、「これは1kgの脂肪です!」パターンを採用することとした。
▲黒フキダシに白文字の差分も作ってみたが、遠目での見やすさを考慮して、白フキダシのほうを採用した。
▲持ったときに向きが自分の口元に向くよう、フキダシのしっぽを調整。
▲さらに、視認性を高めるために、フキダシ内のフォントサイズや字間を調整。
さらにこだわってみた。
脂肪とフキダシを片手で両方持つのはきついので、脂肪の背面にフキダシをくっつけたほうがいいなと思った。
ただ、完全に固定してしまうと持ち運びが不便だなと思ったので、フキダシを着脱可能にすることにした。
「“セリフ棒”着脱可能な脂肪」の完成である。
脂肪の裏にダンボールでフタしたときは、ここまで想定していなかったけれど、うまい具合に活用できてナイスだった。
さあ練習だ!
モノはすべて用意できたので、きちんと着替えて写りを確認してみる。
▲写りのコツとして、フキダシはちゃんと正面を向くようにしたほうがいいとわかった。
■本番の様子
大変ありがたいことに、本家デイリーポータルZの地味ハロ記事で取り上げていただいた!!
僥倖の極みである。
こだわって作った甲斐があった。
■感想
企画、検討から製作してからの本番参加まで含めて、みんな楽しかった!
やはり何かこだわって作るのが好きなんだなと、改めて実感した。
ただ、作るのはいいとして、目のつけどころがやはり一番大事で、そればかりは日ごろの観察が必要だなと思った。
来年の地味ハロウィンに向けて、世の中をよく観察していきましょう!
(デイリーポータルZ 地味ハロウィン2020開催されました! より)
はい!
みなさまも、また来年、楽しいものを作って参加しよう!
■過去の地味ハロ工作記事はこちら
地味ハロウィンの準備 ~水道工事マグネットの観察と小道具の工作~